一乗谷朝倉氏遺跡博物館3m×3mの大型織タぺストリー プロジェクト開発秘話!
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- 2023.11.01
県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館に3m×3mの大型織タぺストリーを寄贈しました!
こちらの織タペストリーは福井の基幹産業である繊維産業の魅力を感じていただけるように緻密な織物技術を活用して織り上げた一乗谷朝倉氏遺跡「唐門」の織物タペストリーです。
日本ダムが製造している織ネームは副資材として服の一部に取り付けられるほどのサイズが一般的ですが、今回制作しました大型織タペストリーはタテ3m×ヨコ3mの超特大級!
一乗谷朝倉氏遺跡博物館に飾っても迫力のあるサイズ感!この大きさがいかに大きいものかおわかりになるかと思います。
このプロジェクトには、日本ダム、難燃加工のプロフェッショナルウエマツ様、縫製スペシャリストのファインモード様、展示架台を制作いただいたシセード様など多くの職人の皆様のお力添えで完成することができました。
どんなところにこだわったのか?
どんな苦労を乗り越えて完成したのか?
日本ダムの織タペストリー制作プロジェクトリーダーの乾義明課長に代表して語っていただきます!
織タペストリー開発秘話の旅へいってらっしゃい!
【開発のきっかけは?】
〚乾 義明〛弊社ならではの織物技術を活かしたタペストリーを作るため、福井市に朝倉氏遺跡写真をご提供いただき、製織テストが始まりました。
写真を織物で再現するには、弊社のテキスタイルアートディレクターが長年培ってきた色選びのセンス・設計技術が必要で、ブランドラベルを製造してきた知見が活かされております。弊社だけでなく、難燃加工、縫製の協力があってこそ達成できた企画になります。
【制作で苦労したところ】
〚乾 義明〛写真調を再現するのに、1m幅ぐらいでしか織れないので、縫製で連結する必要がありました。縦方向に4~5分割した織物がずれないように縫子さんがやりやすい位置に目印を織りこむことで縫製で連結することができました。
【制作でこだわったポイント】
〚乾 義明〛写真のイメージを崩さず、8色のヨコ糸で、どこまで再現をできるか糸の色選びにこだわっています。また織物ならではの重厚感、裏面を見るとヨコ糸が織りこまれているのがわかるところです。この織タペストリーは、8色のヨコ糸を使って「唐門」の風景を表現しています。
【織物設計・織物製造】
〚横山 祐太〛パソコン上で何度もシュミレーションを行って色選定をしています。
また、写真だと黒一色のところを4色に分けてグラデーションにすることでよりリアルに描けています。
〚日本ダム〛織ネームを作っている機械でどうしてこんなに大きいものが作れるのですか?
〚横山 祐太〛ここまで大きいものは過去に経験がありませんが、緻密な織物を織れるマシーンとそれを駆使できる技術があってこそ大きいものでも設計し、織ることができたのだと思います。
【難燃加工】(株式会社ウエマツ様)
〚株式会社ウエマツ様〛事前の予備試験で、効果があると想定していた樹脂の効きが弱く、生地の燃焼を止めることができませんでした。薬剤メーカーから違う樹脂を紹介いただき、処方を検討して燃えにくい生地にすることができました。
【縫製加工】(株式会社ファインモード様)
〚日本ダム〛今回のような大型タペストリーを縫製することはありますか?
〚株式会社ファインモード様〛普段はファッション関連衣料の縫製がメインなので、ここまで大きい織物はほぼ経験がありません。
〚ファインモード様〛5人がかりでないと縫えないくらい巨大なタペストリーで、縫製するのが大変でした。テーブルを専用にセッティングして、そこに拡げてようやく縫製することができました。
【アイロン掛け】
〚乾 義明〛折り畳んで長期保管しているとシワが付いてしまいますので、綺麗にアイロン掛けを行います。この作業も結構大変です。
【タペストリーディスプレイキットへのセッティング】
〚乾 義明〛織物に厚みがあるので、タペストリーキットへ入るかを入念にチェックしておかないといざ入らないとなると大変なので…
【株式会社シセード様】
〚株式会社シセード様〛架台を制作するときは博物館のイメージを崩さないよう現場に足を運んで、実際に見てイメージを決めました。木材の加工デザインや色、風合いなども博物館のイメージに合うように制作しました。
【博物館への搬入風景】
〚乾 義明〛3m×3mの巨大織タペストリーを吊り下げる架台を実際に現場で組まれているのを見ると迫力があります。これだけ大きいタペストリーを吊り下げるとなると架台がしっかりしていると安心感が違いますね。
【織物の裏面】
〚乾 義明〛一見すると写真に見えますが、お近くに寄っていただいて裏面の織物感を是非体感して頂きたいです。
【贈呈式当日】
〚日本ダム株式会社〛当日は、一般のお客様もいらっしゃいまして大変賑わっていました!
〚日本ダム株式会社〛寄贈を受けた一乗谷朝倉氏遺跡博物館の清水 邦夫館長から日本ダムに感謝状が送られました。
〚清水 邦夫館長〛建物の中に展示してあるので天気が悪いときでも実物同様体感してほしいです。
〚一乗谷朝倉氏遺跡博物館〛写真撮影スポットとしても人気が集まればと期待しています。
【最後にタペストリーを通してみなさんに伝えたいこと】
〚乾 義明〛織物でもこんなことができる、Made in 福井だからできる繊維技術を日本ダムの織タペストリーを通して皆さんに見て知って頂きたいと思います。「オンリーワン技術を、福井から世界へ。」日本ダムは、これからも全力で挑戦していきます!